#01  ご当地電力、はじめましょう。

 「ご当地電力はじめました!」(岩波ジュニア新書)という1冊の本。著者の高橋真樹さんが日本全国をまわり、「ご当地電力の今」を追い、まとめられました。
 最近、「再生可能エネルギー(以下、再エネ)」や「自然エネルギー」、「持続可能」や「地産地消」といった言葉を耳にする機会が多くなってきました。それらはこの本にもたくさん出てきます。今までは「エネルギー」というと、大きい会社が巨大な機械を動かし、一般市民には関係ないというイメージだったのが、だんだん私たちの普段の生活に近づいてきたのかもしれません。
 大きなきっかけは、東日本大震災とそれに続いた福島原発の事故でした。遠いヨーロッパではそれを受け、脱原発を宣言し、再エネ100%にシフトチェンジした国もあります。
 とはいえ、日本で来年に控えているらしい「電力の自由化」とか、2012年には始まっていた「FIT」、他にも「PPS」等々、馴染みない言葉も多く、どうも実態がつかみ切れないのも正直なところ。
 世界の潮流と日本の現状、そしてそこにどう私たちが関われるのか、高橋さんに話を伺いました。

ーそもそも「ご当地エネルギー」に注目したきっかけは?

高橋 学生時代、チェルノブイリ事故の被害を受けた子どもたちを受け入れるボランティアをしていて、「子どもたちがこんなに苦しむんだ。喉を手術して、薬を飲み続けて」というのが、原点です。
 でも、「日本でこういうことが起きないように」チェルノブイリのことを伝えていたのが、実際に事故が起きてしまった。そこで、いつまでも原発のことばかり言ってても未来がないじゃないですか。  それなら、「こういう可能性があるんだよ」ということを伝える必要があるし、実は、世界の常識が日本では知られてないことが、エネルギーに関してはものすごく多い。だから、そこは自分なりに伝えていきたいなと。
 とはいえ、ただ「都会の大企業が地方の空地にソーラーパネルを建てる」現場に行っても、面白くも何ともないわけです(笑)。それに、「それって原発よりはいいけど、構造として、都会と地方の関係は同じだよな」と。そういうことを思って、取材は、きちんと地方に根差した活動にしたんです。
 2012年の1月から取材を始めたんですが、その頃はまだ模索が始まってた頃でした。震災前からの「自然エネルギー先進地」みたいな、いくつかそれで有名な町もありました。でも実際に行ってみると、ほとんど補助金頼みとか、東京の企業が風車を建てて、「風車の町」と言ってるけど収入は全部持っていかれているとか。
 だから、地元の地域目線と外の専門家がうまいかたちで協力しつつ、行政だけでもなく、市民だけでもない「“ミックス”で地域を盛り上げていく」という。これは難しいんですが、色々な方の話を聞いている中で「それが面白いな」と。
 本で取り上げたのは、「『暮らしそのものを見詰め直す』、『町のコミュニティを取り戻す』手段としてのエネルギー」みたいなイメージの活動が多くあります。逆に、設備をつくることが目的の活動は限界があって、それでは広がりが、自分たちの問題にならないんです。地域の人が取り組んで「地域のリアリティと、どうマッチするか」というのは、すごく重要ですよね。

—再エネが進んでいるヨーロッパ諸国では、そこがリンクしている?

高橋 「エネルギーシフトした」とされているドイツ、デンマーク、オーストリアは、もともと「地方自治の意識が高い」ということもあります。当り前に「自分の村のことは自分たちで」と、伝統的にやってきたというのは、そこが、依存体質が強い日本と違うかもしれません。
 でも、じゃあ特別「デンマークの意識が高かったのか?」というと、そういうわけでもなく、オイルショックやチェルノブイリがきっかけで、それまでは日本と同じように化石燃料に頼っていたと。だから、ちょっとした違いが、ここにきて広がっているのかなとも思います。

—「自立できてるか」、「依存しちゃうか」は、「ちょっとした違い」でなく、大命題かもしれません。

高橋 でも、そうするとすぐ「教育だ」、「メディアを変えなきゃ」とか、そういう話になりがちです(笑)。エネルギーでいうと、純粋に「日本は20年先にこうしたい」みたいな未来が実現してる国は、すでにいっぱいあるんです。実は敷居は低くて、「全然できるよね」と。もちろん環境の条件も違うので、一概にそのまま持ってくればいいわけじゃないんですが、すごく参考にはなる。
 例えば送電網の話にしても、「そんなの絶対にうまくいかない」って電力会社は言うんですが、それは20年前にドイツの電力会社が言っていた話で(笑)。

—特に参考になるのは?

高橋 ロラン島も有名ですが、同じスウェーデンのサムソ島なんかも、結局は地元の方々がみんなで出資して風車を建てたりしています。それで、出資しているのも、住民の環境意識がすごく高いとか、「自然エネルギーをクリーンに増やしたい」とかはそんなに思っていない。
 そこはもっと単純に、「地元の経済どうするの?」と。高齢化して、産業も衰退して「危ないよね」と。
 そういう、今の日本のどこにでもある問題を抱えてきた人たちが、地域の将来のために「何に投資するのがベストか」という議論を散々してきたわけです。その上で、風車を活かして、再エネで、電力も賄えるし、余った分は売れば収入が入ってくると。あとは藁を燃やして、バイオマスなんかもやって、それは熱、暖房供給を賄えると。
 今後化石燃料が高騰したら、「農業も畜産もやっていけないよね」ということで、20年先を見越して設備投資して、“自分の問題”として地域の将来を考えたから、“手段として”「再エネを使おう」となったわけですよね。

—地域を考える。

高橋 そうなんです。そこの議論を、もっとやっぱりオープンに、みんなでやっていく必要があります。
 結局、原発推進か反対かというのも、日本ではイデオロギー論争みたいに考えられがちです。でも、「30年後を考えよう」、「50年後どうする?」となると、「そんなに増設できないでしょう?」と。おのずと、「どの段階でやめる?」、「いつシフトする?」となって、「早い方がいいよね」となるんです。
 だって、「地域の経済をどうする?」という問題には、どっちにしろ直面するわけです。それを先延ばしするかどうかというだけの問題だと思うんですよね。

—各国でそれを実現されている方々は、これは上手く言えないんですが、幸せそうですか?

高橋 皆さん、「自分たちの選択は正しかった」という意識は全然違いますよね。結局、再エネ、省エネをちゃんとやった方が、儲かるんです。10年でこれだけ元取れるし、安心できるし、すると普通のおっさんが「ウチの断熱材、こんなに分厚いからこれだけ得するんだ」という自慢をしたりする(笑)。日本の普通のおじさんは、自分の家の断熱材のことなんか知らないですよね。
 だから、「それってすごく損してるんだよ」ということを知れば、原発云々とか環境意識も関係無く、経済的に関心を持っていただけるのかなと思います。
 あとは、日本は「まず、電気ありき」の思想になっちゃってる。発電はもちろん大事ですが、そもそも「電気を使わなくていいこと」って、山ほどあって。エネルギーの供給は「減らす」けど、快適性はむしろ「上がっていく」というやり方も、実はいっぱいあるんだよと。それは、技術的にもあるし、高い値段かけなくてもできるので、「そこを考えよう」と。別に、ただ「電気をつくる」だけでは快適にはならないので(笑)。
 ドイツや北欧では、「断熱」と「調湿」が常識です。日本とはそこに大きなギャップがあって、日本の家はスカスカなので、エアコンメーカーもそれを前提に、各部屋にエアコンをつけることで快適な空間を演出する技術に邁進してきた。とても不思議な発展で(笑)、そういうことを考えていけば、エネルギーの消費は、実は今の3、4割は減らせます。
 だから、まだまだ大事なことが知られていないんです。可能性は山のようにあると思っています。

—現時点で、国内で理想的に進んでる地域はありますか?

高橋 全国的に期待されているのは、福島県の「会津電力」でしょうか。他には「徳島地域エネルギー」という、そこは本当に地域性で、人口流出なんかもあり、もう「廃棄物を受け入れるしかない」みたいな危機的状況があって。その中で、「再エネで地域活性化」のために、徳島市の社団法人に皆さんが相談に来るんです。
 それで、近隣の各自治体が、専門家のアドバイスを受けて自然エネルギーの運営もするし、場合によっては市民からのお金も入れるというかたちでやっていて、広がりが出てきています。

—原発事故を受けた福島の、会津電力に期待が集まっている。

高橋 構想として「県全域を賄う」ということで、それが実際に何年でできるかはまだわかりません。でも、自らの地域を超えてまで「供給していこう」という規模は、全国的にもあんまりないと思います。
 ただ、もう少し広いスパンで見ていて、「それが繋がったら面白いよね」という取り組みもあります。例えば神奈川の 小田原 なんかも、自分たちがやるのでなく、他の地域の人たちを刺激して、「育てていく」というイメージでやっていますね。

ーでは、発電する方は一応盛り上がってるとして、一般市民は、来年春の 電力自由化 以降、どう生活が変わるんでしょう?

高橋 大きく動いているのが東電で、先日「ソフトバンクと組む」という発表もありましたが、たぶん、かなりなりふり構わずやっていると。そういう中で、それこそ福島では原発事故があったので、市民の中にも、だいぶ認識が変わった人もいるのかなとは思います。でも、それが例えば鹿児島だと、自由化となって「どこか選んでもいいですよ」と言っても、選ぶ基準もないし、難しいと思うんです。
 これは「発送電分離」の話にも関係するんですが、結局「電力自由化」って、発電する人、小売りする人が増えても、その間を繋ぐ送電網がないと電気は届かないですよね。今、PPS(特定規模電気事業者)が600くらい登録はしたんですが、売るところばっかり増えて、送電網の共有化もできてない。そのあたり、大枠は決まっていても、細かいところはまだこれからなんです。
 そこを考えていくと、仮に会津電力の構想が実現できたとして、ベースはやはり、「地域のメリットを地域の人が考える」ということかと思います。
 もちろんソフトバンク的なところが自然エネルギーを広めるのは、それはそれで必要です。同時に、「衰退する地域をどうしよう」みたいな意味では、いくらソフトバンクが増えても、「結局東京の大企業だよね」という、従来の産業構造と一緒になってしまう。
 ソフトバンクは2012年に FIT(固定価格買取り制度)が始まってすぐ始めました。その当時、地域の市長、町長は自然エネルギーの地域的な経済効果とか、あまりわかっていなかった。
 だから、従来の地域活性化の一つの手法として、都会から大企業を引っ張ってくる、それこそ「TOYOTAの工場引っ張ってきたら大手柄」みたいなことだったと思うんです。それと同じ感覚で、「再エネだ」ということで太陽光パネルを並べても、地元の雇用は増えない。しかも、売電収入も持っていかれて利益にならない。あちこちにメガソーラーをたくさんつくったけど、それよりも50キロワットの発電所が地元に金を落とすというケースとかがあって、「何なんだ」みたいなことになる。
 なので、ここに来てやっとその本当の効果が伝わってきたんです。

—ヨーロッパでは、再エネを始める上で、まず「協同組合をつくって」という定番の流れがあると聞きます。

高橋 そもそもエネルギーだけじゃなく、何か活動しようとなると、「2人集まれば協同組合」くらいの話があって、身近なんです。自分たちが主体になって、みんなで出資して、一応代表とかは決めるけど、出資額とかは関係なく議決権とかも平等で運営していく。
 日本の場合は全国的に、食に関しては「生協」があって、そこがエネルギーをやろうとしていて、面白いかなと思います。ポリシーも、「生産者と消費者をダイレクトに繋げる」とか、「安全な食べ物をつくる生産者を紹介する」といった、ご当地電力みたいな話とすごく馴染むものと思います。だから未来に向けて、例えば、そこが PPS 化をしていけば面白いのかなと。
 ただまだ、流通させる電力量が絶対的に少ない。鍵は風力と思います。
 太陽光は面積の割につくれる電力が限られている。同じ規模で賄えて、欧米で自然エネルギーの主力になっているのは風力です。
 風力は、日本では「不安定だ」みたいなこと言われていますが、風の予測技術もすごく進んでいて、設置するのも一ヶ所じゃなくて、地域を変えて設置されている。それで補いあって、ピークの山をなだらかにしていく運営の仕方です。予測も一ヶ月前、一週間前、1時間前、5分前とかって細かくしていくんですが、精度も年々高まっています。
 スペインなんかは時期によって5割くらいの電気が風力です。デンマークでも年間の約4割が風力だったと思います。だって、燃料無料なわけですから、上手く使えたら得ですよね(笑)。

—「得」や「利益」になるって、わかりやすいです。

高橋 デンマークだって、脱原発したいためだけでやってるわけじゃないんです。彼らだって生存かかってるし、トップランナーになることで、自分たちの技術力が世界に示せて、商売になるわけです。だから、そこは誇りをもってやってるし、熱心に商売してますよね。
—諸々のご経験、知識をお持ちで、日本の状況がどうにも歯痒くなってしまったりしませんか?
高橋 でも2011年の震災と、2012年に再エネのFITがはじまって、初めて、「自然エネルギーはおもちゃじゃないね」と、思った方も多いと思うんです。もちろんそこには功罪両方あるんですが、やっと「スタートラインなのかな」と感じています。そして現実に、再エネの生産電力量としては、倍以上になっている。
 今の政権の「超、原発を推進したい」姿勢の中でも、たとえ嫌々ながらとしても、「今後20数パーセントにしていく」と言っています。それは、本気でやればもっと全然増えるということだと思いますし、数年前まで相手にもされなかったのが、今は社会的に「再エネに反対」と言い難い雰囲気があります。そういう意味で、時代は変わってきています。あとは「質」ですね。
 つまり、「そのお金はどこに行くのか」とか、「地域活性化に役に立つのか」とか、そこまで浸透しているケースはまだ少ない。でも、いずれはそこを考えないと、今までもあった無駄な公共事業とかと、一緒になってしまう。
 だから、「ちゃんと考えましょうよ」ということだと思います。
 「つくること」を目的にした、「『公共事業で経済をまわす』みたいな時代はもう終わったんじゃないの?」と。
 今後、日本だってお金ないし、有効にさえお金を使えば、地域の未来を守れるわけです。シンプルに、「もっと良くしていきましょうよ」ということなんです。 大きく動いているのが東電で、先日「ソフトバンクと組む」という発表もありましたが、たぶん、かなりなりふり構わずやっていると。そういう中で、それこそ福島では原発事故があったので、市民の中にも、だいぶ認識が変わった人もいるのかなとは思います。でも、それが例えば鹿児島だと、自由化となって「どこか選んでもいいですよ」と言っても、選ぶ基準もないし、難しいと思うんです。
 これは「発送電分離」の話にも関係するんですが、結局「電力自由化」って、発電する人、小売りする人が増えても、その間を繋ぐ送電網がないと電気は届かないですよね。今、PPS(特定規模電気事業者)が600くらい登録はしたんですが、売るところばっかり増えて、送電網の共有化もできてない。そのあたり、大枠は決まっていても、細かいところはまだこれからなんです。
 そこを考えていくと、仮に会津電力の構想が実現できたとして、ベースはやはり、「地域のメリットを地域の人が考える」ということかと思います。
 もちろんソフトバンク的なところが自然エネルギーを広めるのは、それはそれで必要です。同時に、「衰退する地域をどうしよう」みたいな意味では、いくらソフトバンクが増えても、「結局東京の大企業だよね」という、従来の産業構造と一緒になってしまう。
 ソフトバンクは2012年にFIT(固定価格買取り制度)が始まってすぐ始めました。その当時、地域の市長、町長は自然エネルギーの地域的な経済効果とか、あまりわかっていなかった。
 だから、従来の地域活性化の一つの手法として、都会から大企業を引っ張ってくる、それこそ「TOYOTAの工場引っ張ってきたら大手柄」みたいなことだったと思うんです。それと同じ感覚で、「再エネだ」ということで太陽光パネルを並べても、地元の雇用は増えない。しかも、売電収入も持っていかれて利益にならない。あちこちにメガソーラーをたくさんつくったけど、それよりも50キロワットの発電所が地元に金を落とすというケースとかがあって、「何なんだ」みたいなことになる。
 なので、ここに来てやっとその本当の効果が伝わってきたんです。

—ヨーロッパでは、再エネを始める上で、まず「協同組合をつくって」という定番の流れがあると聞きます。

高橋 そもそもエネルギーだけじゃなく、何か活動しようとなると、「2人集まれば協同組合」くらいの話があって、身近なんです。自分たちが主体になって、みんなで出資して、一応代表とかは決めるけど、出資額とかは関係なく議決権とかも平等で運営していく。
 日本の場合は全国的に、食に関しては「生協」があって、そこがエネルギーをやろうとしていて、面白いかなと思います。ポリシーも、「生産者と消費者をダイレクトに繋げる」とか、「安全な食べ物をつくる生産者を紹介する」といった、ご当地電力みたいな話とすごく馴染むものと思います。だから未来に向けて、例えば、そこがPPS化をしていけば面白いのかなと。
 ただまだ、流通させる電力量が絶対的に少ない。鍵は風力と思います。
 太陽光は面積の割につくれる電力が限られている。同じ規模で賄えて、欧米で自然エネルギーの主力になっているのは風力です。
 風力は、日本では「不安定だ」みたいなこと言われていますが、風の予測技術もすごく進んでいて、設置するのも一ヶ所じゃなくて、地域を変えて設置されている。それで補いあって、ピークの山をなだらかにしていく運営の仕方です。予測も一ヶ月前、一週間前、1時間前、5分前とかって細かくしていくんですが、精度も年々高まっています。
 スペインなんかは時期によって5割くらいの電気が風力です。デンマークでも年間の約4割が風力だったと思います。だって、燃料無料なわけですから、上手く使えたら得ですよね(笑)。

—「得」や「利益」になるって、わかりやすいです。

高橋 デンマークだって、脱原発したいためだけでやってるわけじゃないんです。彼らだって生存かかってるし、トップランナーになることで、自分たちの技術力が世界に示せて、商売になるわけです。だから、そこは誇りをもってやってるし、熱心に商売してますよね。
—諸々のご経験、知識をお持ちで、日本の状況がどうにも歯痒くなってしまったりしませんか?
高橋 でも2011年の震災と、2012年に再エネのFITがはじまって、初めて、「自然エネルギーはおもちゃじゃないね」と、思った方も多いと思うんです。もちろんそこには功罪両方あるんですが、やっと「スタートラインなのかな」と感じています。そして現実に、再エネの生産電力量としては、倍以上になっている。
 今の政権の「超、原発を推進したい」姿勢の中でも、たとえ嫌々ながらとしても、「今後20数パーセントにしていく」と言っています。それは、本気でやればもっと全然増えるということだと思いますし、数年前まで相手にもされなかったのが、今は社会的に「再エネに反対」と言い難い雰囲気があります。そういう意味で、時代は変わってきています。あとは「質」ですね。
 つまり、「そのお金はどこに行くのか」とか、「地域活性化に役に立つのか」とか、そこまで浸透しているケースはまだ少ない。でも、いずれはそこを考えないと、今までもあった無駄な公共事業とかと、一緒になってしまう。
 だから、「ちゃんと考えましょうよ」ということだと思います。
 「つくること」を目的にした、「『公共事業で経済をまわす』みたいな時代はもう終わったんじゃないの?」と。
 今後、日本だってお金ないし、有効にさえお金を使えば、地域の未来を守れるわけです。シンプルに、「もっと良くしていきましょうよ」ということなんです。

TEXT BY 平井有太(マン)

高橋 真樹さんプロフィール
ノンフィクションライター。平和協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞。持続可能性をテーマに世界や日本全国をめぐって取材・執筆活動を行っている。最新刊は全国の地域や市民による自然エネルギーの挑戦を追った『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)。他にも、『自然エネルギー革命をはじめよう―地域でつくるみんなの電力』(大月書店)、『観光コースでないハワイ-楽園のもうひとつの姿』(高文研)など著作多数。

著書
2015年最新刊!『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/4005007953
『親子でつくる自然エネルギー工作』(4巻シリーズ)
http://www.amazon.co.jp/dp/4272409212
『自然エネルギー革命をはじめよう―地域でつくるみんなの電力』
動画:http://youtu.be/mSc-PUnB1Bw
http://www.amazon.co.jp/dp/4272330799
先住ハワイアンから見た知られざるハワイ 『観光コースでないハワイ』
http://www.amazon.co.jp/dp/4874984606/
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ブログ:しゃろーむさらーむ http://ameblo.jp/marae/

平井有太(マン)プロフィール
1975年、東京、文京区出身。NYの美大、School of Visual Arts卒。フリーのライターとして各種媒体、国内外の取材を重ね、2012年10月より2年半福島市に在住。著書「福島 未来を切り拓く」(SEEDS出版、2015年)には、ドイツのエネルギーシフトを牽引した元・欧州緑の党共同議長、ダニエル・コーン=ベンディット氏のインタビュー収録。福島大学FURE客員研究員。共著「農の再生と食の安全 原発事故と福島の2年」(新日本出版社、2013年)。2013年度第33回日本協同組合学会実践賞受賞。

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