#31  太陽の恵みで人と街を未来へつなぐ エコロミ(調布)

再生可能エネルギーの都市型市民発電として行政と連動しながら1MW 以上を発電。ビジネスとして成功している調布まちなか発電株式会社。旺盛な独立精神とチャレンジ精神で自然エネルギーを広げる活動のきっかけと、今後の考えるプランとは?株式会社エコロミの小峯充史さんを訪ねたました。

— そもそも何がきっかけだったんですか?

小峯:市民発電所をやりたくてやったわけじゃなくて、それ以前は環境活動はしていたんです。枯渇生燃料に関するエネルギーは有限な資源なのでみなさんで大切に使いましょうという活動です。

— なぜ目覚めたのでしょうか?

小峯:結構小さい頃から思っていたんです、子ども心に結構大変なことだよなぁと。限られた物だし大切に使わなければいけない。自然も好きだったんですが、自分の琴線に触れる物があったんでしょうね。それで震災があって、実は私この頃は温暖化対策で原子力発電所が大切だと思ってたんですね。普通にCO2削減の為に原子力発電所は安全だと思ってました。


株式会社エコロミ 小峯充史さん

— まさか、爆発するとは思ってないですもんね。

小峯:はい。推進という事はないですが一個の選択肢だと環境省とかもいっていました。CO2減らさないとダメなので。

— そして事故で気づいちゃったんですか?

小峯:それまで環境分野での仕事はゴミとか土壌汚染とかだったものが震災が起きてエネルギー問題が公になって、固定価格買い取り制度が始まることになりエネルギー関連の展示会にも行くようになりました。確かに関心のある人しか来ていないのですがこれは凄いと。これだったら仕事にしてやっていけるのかなと思い、働きながら事業計画を作る様になってたんです。

— 少しづつ動き出すわけですね。

小峯:マーケットは地域かなと思ってました。でも、いきなり出来ないですね。お金も借りれないし場所も見つけられなかった。でも地域でやるというのが、地に足が着いたやり方なんだろうと。

— それが今では都市型市民発電として行政と連動して1MW以上発電するビジネスになるんですね。

小峯:分散型エネルギー、分散型電源。原発が大規模集中型であれば、その対局であるのが、小規模分散型。それをやるなら地域だよねと。たまたまネットワークを持っていたので行政と組んでできたらいいなと。ちょうど環境省の地域主導型再生可能エネルギー事業化検討業務の募集があったんです。それで事業計画を作るお手伝いをして貰いました。

ネットワークを利用しての発電所を作る

— 地域で発電したものを、地域で消費する考えだったのですか?

小峯:そんなことも考えていないです。とにかく作る事が最初だと思っていたので。

— ビジネス的にはFITで売る計画ですよね。

小峯:それで、お金が地域に落ちれば良いんじゃないかと。ただ、その頃はそこまで深く考えてなかったです。

— 流れ的に発電もやっちゃえみたいな事ですか?屋根を借りるのが案外スムーズだったとか?

小峯:それもありますが、その前に調布市にも行きました。

ー でも、いきなりは断られますよね。

小峯:たまたま2012年の7月に環境省から公募があって応募したのが、行政と民間事業者が一体となって地域で再エネ事業を立ち上げる企画を支援するものでした。

- 申請する前に、市との連携が少しあったわけですね。

小峯:そうです。取れたら考えましょうと。いう感じですね。やっぱり環境活動で町作り活動をしていたから、市長や議員さんの大半を知っていたし、市内のゴミ運搬業者の社長さんや環境部にも長年おつきあいがありました。だから社長さんを連れて一緒にやって下さいとお願いしたわけです。

— 凄いですね、ほんと地域を巻き込んで行ったわけですね。

小峯:採択されて環境エネルギー政策研究所や三菱UFJリサーチアンドコンサルティング??というシンクタンクが、採択された地域を支援するコンサル会社なんですけども、そこにやり方を教えてもらいながら事業を組み立てて行った。というのが事業の成り立ちですね。

— いきなりバーンと広げたからこそ入り口が開いたんですね。

小峯:最初は調子が良かったのですが、いろいろ勉強をして行くと公共施設は出来るけども民間の屋上をお借りするのが中々難しくて苦戦しています。

— それは、なぜなんですか?

小峯:建物自体が個人の所有物なので20年ぐらいそのままかという事ですね。「引っ越す事になったんで売りますわー」と言われちゃうとダメなんで。

—ソーラパネルを置く費用は家賃みたいな感じですか?

小峯:1キロワットの発電設備を使うのに大体パネル250ワットぐらいで4枚ぐらい必要なんです。1枚あたり1.6m24枚で6.4m2。隙間も空けないとけないので、そうすると10キロやるのにやっぱり100m2ぐらいは必要なんです。で、100m2で大体賃料が年間1万5千円ぐらいなんです。

意外なソーラーパネルの賃貸料

— 年間ですよね、思ったより安いんですね。

小峯:そんなもんなんですよ。公共施設だと広い屋根があるのですが、普通そんな大きな屋根を持っている人は居ないので。

—確かに、幼稚園とか保育園とかですかね。

小峯:屋根貸して下さいとか言って5キロやりますーとか言って7500円とかなんですよ。少額なんで面倒くさがってやらない人も多くて、市民の参加は想像以上に苦しんでいます。

- 自由化に向けて販売はするのですか?

小峯:販売はします。東電さん以外にも東京都環境公社に7月から販売します。生活クラブに卸すことも可能ですよ。

— 今後は太陽光の他に風力やバイオマスの計画はありますか?

小峯:色々検討はしてるんですが、風力はやらないと思います。バイオマスは検討しました。調布市内の生ゴミで。

— 収集してますね。

小峯:群馬は太陽光の権利のある土地は確保してあるんです。小水力発電をかじろうかなと思ってます。長野県の地域でバイオマス。それは、お米の稲のもみ殻を使ったバイオマス。それに電力だけでなく見守りサービスなどの生活にリンクしたサービスも提供していくことで市民発電としての位置づけを確立しようと、そんな事を計画しています。

エコロミ(調布まちなか発電株式会社)
東京都調布市布田1-46-1調布KSビル4階
TEL042-444-1951  http://chofu-energykyou.jp/e368445.html

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