#53  HappyEnergy × マクロビアン 橋本宙八
      バーバー時々ジージーのつぶやき「情報化社会の危険な落とし穴」

無知、無関心で生きることは、その人の生き方の自由なのだから、他人がとやかく言う事では無いが、もし、あまりにも呑気に、また、無邪気に、あるいは、世の中のことを正直に信じ過ぎて生きていたのだとしたら、それこそ怖いことである。自分の意志にまったく反して、とてつもなく不条理な理由、原因で、たった一度のこのかけがえのない人生を、楽しみや思いを果たせないままに死んでしまうことになってしまう。

今の時代ほど、無知、無関心であることが、危なく、そして、自分にとっても、また、他人にとっても罪になる時代もない。知って選択し、そして、楽しんで生きる。そんな時代なのだろうとつくづくとそう思う。

「豊かになった情報社会」

今からわずか50年ほど前、我々市民が得られる情報源と言えば、新聞、テレビ、雑誌くらいのものだった。直接情報を手に入れたい場合には、相手に手紙を書くか電話で話すか、車か電車に乗って先方に出向くしかなかった。そのため、得られる情報と言えばごく限られたもので、そのわずかな情報を大半の人が共有していた時代でもあった。 ところが、コンピューターの出現によってこの状況は一変する。世界中のどこに居てもあらゆる情報が手に入るようになり、コンピューターなしでは、人も仕事も、社会や国家さえもが機能しなくなってしまった。
端末機も次々に新しいものが登場し、子どもから老人まで誰もが持つようになった。その情報伝達のスピードは日に日に速くなり、誰にでもあらゆる情報が即座に手に入るようになっている。じつに便利な社会になったものである。

「その裏に潜む危険な落とし穴」

しかし、そんな便利な社会の裏には必ず落とし穴が潜んでいる。電化され益々便利になる家屋、車、電車、飛行機などの交通手段、身の回りに溢れる家電製品、パソコンを始めとするタブレットやiPhoneなどの情報端末機があらゆる分野、場所で使われるようになり、それが引き起こす様々な問題が出て来ているのだ。
 その一つが、電子機器が発する電磁波の問題だ。イヤホーンなしで携帯電話を使用すると、たちまち耳の奥や頭が熱くなって痛みを感じる。これは、電磁波で生じる低周波が頭の内部に熱を発生させることから生じる痛みだ。原理的には、電子レンジに頭を突っ込んだのと同じだと言う専門家もいるくらいである。その実際の様子を示したのが以下の写真、頭部の熱の変化の度合いを表したものだが、それがいかに危険なものかが一目で分かる。

出典 blog-imgs-54-origin.fc2.com

こうした電磁波が人体に及ぼす影響は、すでに様々な国の研究機関から発表されている。それによると、電磁波による身体への影響は半端ではない。様々な精神的障害を始めとし、高血圧、低血圧、脳腫瘍、白血病、ガンなど、重大な現代病の原因になるとも言われている。それが、身の回りで日常的に起こるという意味で、電磁波は放射能以上に危険だという指摘をする専門家もいるほどだ。
 こうした警告はずいぶん以前からされて来ていたのだが、日本では表立って言われることがない。経済の狂奔社会がそうさせているのだが、当然、わが国でも何らかの規制があって良いはずなのだが、しかし、幼児や小学生に至るまで平気でiPhoneを持たせる親が大勢いてその危険性を指摘しない社会なのだから、まさに「このままでいいのかニッポン!」である。

「<情報依存症候群>の人間が激増!」

また、多くの人間は、情報によって社会が発展し、人の能力も成長しているように思っているが、それはまったくの錯覚というものだ。単にそれは社会の機能が便利になっただけのことであって、電磁波の問題からも分かる通り、むしろ、様々な電子機器のために現代人の生理機能、精神的機能は明らかに劣化、退化しているのだ。
 その証拠の一つが、ネットを見ていないと不安になり、四六時中端末機を手離せなくなっている人間が増えていることだ。これはもう立派な一種の精神障害と言えるが、この症状を放っておくとやがて身体感覚は元より脳の機能までもが退化してしまう怖れがある。
 メールのやりとりで喧嘩をしたり、あげくの果てに殺傷事件を起こしたり、相手の言葉に傷ついて自殺したりする者さえいる。多くの人間がネットの情報によって思考も言動も左右され、明らかに正常な感覚を失っている<情報依存症候群>が激増しているのだ。

「コンピューターは頼るほどに頭が悪くなる」

更に、こうしたネット上の世界ばかりに心を浸り続けていると、脳が本来の働きである情報を正しく身体感覚へと伝える機能が破壊されてしまうという大変危険な症状へと進行する。
 その分かり易い例が、車に搭載されているナビゲーターの問題だ。ナビゲーターが無かった頃、車でどこかに行くには地図が頼りだった。どの道を通って行けばいいか間違えないようにと地図をにらみながら、いつでも全身の感覚を研ぎすませて運転をしていたものである。
 ところが、ナビゲーターの登場によってその必要はまったくなくなった。目的地を入力するだけで車を誘導してくれるので、ドライバーが今どこを走っているのか?これからどう走ればいいのか?実際の道路状況などはまったく気にせずに済むようになってしまったのだ。
 本来なら、道路の状況感覚が一杯でなければならない車の運転が、まったく実感の伴わない画面上の操作で済んでしまうことになり、目的地には着けるが、そこに至るまでの実感、体感がまったくない状態が当たり前になってしまったのだ。結果、ナビが無ければどこにも行けない、進路を判断することが出来ない方向感覚を失ったドライバーが激増することになる。
 勿論、これは車だけの問題ではない。今では、社会の仕組みのほとんどがコンピュータによって操作されているので、あらゆる分野でこうした現象が起きている。
 その一つが、間もなく登場する車の自動運転だ。これによって人は間違いなくあっと言う間に正常な運転感覚を失い、自分の手ではもう車の運転ができなくなってしまうことだろう。
 こんな具合に人間の身体能力がどんどん失われて行く結果、ますますコンピューターに依存しなければならない社会になって行く。やがて、近い将来、コンピュター無しでは何も出来ない、動けない、モノゴトをまったく判断することが出来ない、まるで未来映画に登場するサイボーグのような人間が誕生することになるだろう。

「バーチャル社会はすでに始まっている」

 この人間の身体性がどんどん失われてゆく社会では、便利さが増す一方で、今のわれわれには想像もつかない危険な社会になって行く。
 その一つが、世界中で蔓延する現代病だ。じつは、この命の危機もまた明らかに狂奔する情報社会が産み出したストレスによって引き起こされたものなのだ。
 また、世界中で起きる様々な事件やテロや戦争なども直接的あるいは間接的に、この情報依存社会のグローバル化によって感性を失ってしまった人間が引き起こしているものだと言える。われわれが意識をしない間に、じつは、こんな危ないバーチャル社会がすでに世界中のあちこちで始まってしまっているのだ。
 その一つの例が、すでにネット上の仮想空間のバーチャルタウンへの大手企業の投資や仮想通貨であるビットコインの運用を大手銀行がすでに始めていることなどの現象にも明らかに見てとれる。また、若者たちが、実際には存在しないインターネット上のアイドルに夢中になっていることなどもまたその典型的な例だ。こうした現実は、今後あらゆる分野で次々と生まれ世界中に拡大して行くに違いない。
 便利さの裏側でこんな危険な社会を生み出した張本人の一人であるアップルの創業者スティーブ・ジョブスは、生前、自分の家族には絶対にパソコンを使わせなかったと言うのだから面白い。彼はパソコンがどれだけ人間の身体や未来の社会に悪い影響を及ばすことになるかを、始めから十分に知っていたのだ。
 身体感覚の退化、人間性の喪失、バーチャル社会の出現。これらは皆、便利な文明社会の裏側で着々と進行しているとてつもなく危険な落とし穴だ。やがてIT(人工知能)が人を支配し、機械と人間が逆転する時代が来るかも知れない。そんな心配はもう空想の世界ではない。それは私達の身の回りですでに現実で起きていることだからだ。

「コンピューターを捨て田舎に移り住もう!」

 かつて、日本の現在の状況がまったく予想さえ出来なかった高度経済成長期、東北出身の寺山修司という作家は、「書を捨て街に出よう!」と広く若者たちに呼びかけた。その呼びかけに応じて多くの若者が田舎を捨てて東京へと向った。それはまさに、現在の大都市への一極集中化への序章でもあった。
  しかし、そんなかつてのジャパニーズドリームを追いかけた流れが日本人を本当の幸せな人生へと導いたかと言えば、それはまったくそうではなかった。現在の日本の幸福度ランキングが、先進国中最低レベルにあることがそれを見事に物語っている。
「モノの豊かさの代償としての人間性の喪失」。この大きなジレンマをもう一度バランスのいい状態にどう改革出来るかが、これからの時代に生きる者たちに課せられた大きな課題だ。 大都会では、空間も時間も、そこにある環境や情報のどれもがバーチャルで溢れている。都市に住むということはそうしたバーチャルな世界を楽しむということでもあるのだから、その選択肢は、失われる人間性の喪失と引き換えの覚悟の上でのことであった方がいい。
 しかし、もしそれに危機感を抱き、本来の人間の身体感覚や判断力を取り戻したいと望むのなら、都会を離れて自然の中に身を置く方がいいだろう。田舎に移り住み、いい空気と水を飲み、自然環境の中で食糧や自然エネルギーの自給をする。そんな自立生活にぜひ挑戦してもらいたい。そうすれば今後世界がどんなにバーチャルになろうとも、人間としての感性や判断力を失わず、激動の世界を生き延びることが出来るかも知れない。
 現代人は、心も身体も余りにも自然から遠ざかり過ぎてしまった。本来の人間性を取り戻すためにはもう一度「自然に還る」しかない。もし、寺山修司が生きていたら、今ならきっと若者たちに「コンピューターを捨て田舎に移り住もう!」と呼びかけたことだろう。

橋本 宙八(はしもとちゅうや)
1947年新潟県に生まれる。桐朋学園大学演劇科卒業。自由で創造的なからだとこころをいかに創るかという演劇探求の道から、ヨガ、断食などの体験を経てマクロビオティック(穀物菜食による健康、長寿法)に出会う。その食の持つ理論と実践法に惹かれ、以来、この道の研究・実践44年。結婚を機に、東京から阿武隈山系の山奥に入植。原野を開墾し、自力で家を建て、食の研究と農的暮らしを志ながら5人の子供を夫婦二人だけで産み、動物性食品一切なしの純正菜食(ベジタリアン)で育てる。



この間、『半断食』による体質改善法を独自に探求。自宅で毎月開かれるセミナーでは、35年間で8800人以上を指導。国内各地は元より海外にも出向き、オーストラリアで22年間、アイルランド、スペイン等でも開催し好評を得ている。自宅をマクロビオティックによる癒しと学びの場『マクロビアン』と名付け、健康に関する様々な課題を解決したい人々が全国から訪れる。セミナーの傍ら、各地で講演・健康指導・執筆などもしている。



こうした仕事のかたわら社会奉仕活動にも関心を持ち、1991年、ベラルーシのミンスクで開かれたチェルノブイリ原発事故の被災者である子供達を救援するための国際会議に参加、放射能被爆者にとっていかに自然な食物によるケアが大切であるかを講演。この会議がきっかけとなって、2年に渡り合計9人のチェルノブイリの子供達を1ヶ月間自宅に招き静養させる。



■オフィシャルサイト
 http://www.macrobian.net

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